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20歳女子大生があなたをインタビューをします

【第2回】【過去との向き合い方】林将寛さん 人生のテーマは「人との関わり」

「人との関係性」それが彼の据えた人生のテーマだという。自分が今まで抱えてきた課題に
対峙し続けるという生き方。
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初めましてと挨拶を交わしたのは、
今日のインタビューワーである立命館大学産業社会学部四年の林将寛さんだ。

インターンの勤務帰りらしい。
インターン先について伺ったところ、発達障害の子供たちの居場所となれるようにという理念の下作られた塾だという。

___発達障害に興味を持たれてるんですか?

「いえ、興味があるのは発達障害というわけではないんです。ご縁があってここで働かさせて頂いてるんですけど。
僕が人生をかけてやっていきたいと思っているのは、自分の人生を素直に表現できる人を増やしたい、っていうことなんです。
自分の意志や人の選択、行動のもとになる心の動きに興味があって、そこに働きかけたいなと。」

「僕、ありがたいことに友人から相談を受けることがよくあるんですけど、その時に多くの人が、幼い頃に築いた価値観に強く影響を受けているなと感じたんです。」


やりたいのは自由な人生の選択と「居場所づくり」

林さんによれば、社会や家族から無言の圧力を受けて、自由に自分の人生を表現できていない人が多いという。
そして自由な人生の表現の基盤となるのは、安心できる人間関係すなわち「居場所」である。
居場所といっても様々である。社会の中での他人からの自分の承認、小さな仲間内への所属、個人間での相互承認。それらの前提条件があって初めて自分らしく生きることができる
そのように林さんに思わせた背景には、対峙し続けてきた過去があった。

人生のテーマは「人間関係」
恋人の存在
「僕の恋人が精神疾患を抱えていたんですね。
生きづらさを抱える彼女と一緒にいて、僕も生きることについて考えるようになったんです。
やっぱり生きづらさの根にあるのって孤独感だと思うんですよ。
いくらすごいスペック持っている人でも、自信を持つには、自分で自分の人生を肯定できるだけじゃなくて
周りからの承認や安心できる場所が必要だと思うんです。

彼女が僕と一緒にいる中で、生きてみたいと思ってくれるようになった。それで僕は彼女の力になりたいと思うようになったんです。」

価値観形成期
「僕、ちっちゃいころ父親の転勤で海外を転々としてたんです。日本に戻ってきたのは小学生も終わりかけくらいの頃かな。
日本人学校に通ってたんですけど、海外を転々とする子供たちが集まってるところで、人の入れ替わりが多いんですね。
勿論新しい環境に慣れるのにも時間がかかるし、やっと慣れて仲良くなってきても、その友達がすぐ転校しちゃうとか。僕が転校するとか。
適応能力は身についたけど、気持ちが移ろいやすい性格になった。正直なところ、悪い側面の方が大きかったです。

あともう一つ、人生で決定的だったのが中二のころのいじめですね。具体的に言えばシカト(無視)でした。はじめは仲間内での軽いからかいだったのがエスカレートしていってクラス全体に広がって。クラスの誰からも相手にされず、孤独を感じた時期がありました。
その原因として、帰国子女あるあるなんですけど、プライドが高くで偉そうな態度が、周りの不満を募らせていったのかもしれないなと思ってます。あるきっかけで、それが爆発してしてしまったのかな。
誰にも関心を持たれないというのは辛かったですね。」
__いじめに対して自己内省されているのは凄いですね
「めちゃくちゃ辛くって、こんなにつらい思いを生み出したのは自分のせいだと思わずにはいられないんです
けれど大学になって自分が一緒にいて安心できる仲間に出会えた。それが大きかったですね。彼女のこともそうだし、自分の振る舞いで感謝を生むこととかあって、それが自信に繋がりました。

「ありたい」姿
__これを踏まえて、「人が自分のやりたいことができるようになる」ために働きかけるっていうのはどういうことなんでしょう。

僕「やりたい」って言葉よりも「ありたい」って言葉を使いたいと思っているんです。
やりたいって実態がないといけないと思うんですよ。例えば、パティシエになりたいとかね。
でもそれ見つけるのってなかなか難しいじゃないですか。だから「やりたい」よりもっと抽象的な「ありたい」の方を大切にしていて
だから人が自分の「在り方」を考えていくことの手助けですかね。周りの人が人生の選択をするとき後押しする役割になりたいんです。
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ミハラ「確かに人間最後に残るのは「人間の在り方」なのかもしれないですね」
林さん「スペックは代替可能だしね」

こんな言葉を交わしながら、インタビューを終えた。幼い頃から聞かれ続けたであろう
「あなたの夢はなんですか」。
それが意味するのは「将来就きたい職業」だろう。
私たちはその考えにあまりにも慣れすぎてしまってはいないか。
やりたいことは極めて刹那的である。
林さんのようにありたい姿を求めていく方がもっと崇高な気がするのだ。

おしまい。